Axonパッチクランプシステムにて記憶と
想起の根底にある脳内シグナル伝達機構を評価
企業/大学
テキサス大学
チームメンバー
バラジ・クリシュナン博士,助教授
使用製品
マルチクランプ700B微小電極アンプ
Axon Digidata 1550B 低ノイズデータ収集システムとHumSilencer
pCLAMP 11ソフトウェアスイート
課題
これらの研究の目標は、治療が可能であり、したがって記憶喪失の予防に応用できるメカニズムを同定することである。クリシュナン博士は、電気生理学、シグナル伝達学、行動学からなる学際的アプローチを用いて、ホスホリパーゼD(PLD)の発現の差とアイソフォームの効果を研究している。
解決策
電気生理学の研究では、MultiClamp 700B Microelectrode AmplifierとDigidataデジタイザを備えた2台のパッチクランプ装置を使用している。1台はげっ歯類の脳スライスのパッチおよびフィールド記録に使用し、もう1台は細胞パッチ記録に指定されている。どちらのパッチクランプ装置も、記憶と想起の根底にあるシグナル伝達機構を評価するために、二重記録を活用している。このような研究は、個々のニューロンレベルでの変化を記録すると同時に、影響を受ける脳回路をマッピングする上でインストゥルメンテーションとなる。
- アルツハイマー病(AD)は、最も一般的で重篤な加齢に伴う神経変性疾患である。
- 現在のところ治療法はなく、予防と治療のための革新的な標的を特定することが急務である。
使用製品
結果
Krishnan博士は、2台のMultiClamp 700B微小電極アンプ、HumSilencer付きAxon Digidata 1550Aシステム、Axon Digidata 1332Aシステム、Axon pCLAMP 10電気生理学データ収集・解析ソフトウェアを用いて以下のことを行った:
- ショウジョウバエの嗅覚の末梢概日リズムを明らかにし、概日リズムを支配する末梢オシレーションの機能的変化を初めて証明。
- 嫌悪的記憶と食欲的記憶の長期記憶発現を制御する扁桃体におけるシナプス機能を解析する。
- 海馬におけるシナプス機能の破綻が、病的な記憶喪失をもたらす神経変性状態の初期事象の基礎をどのように形成しているかを評価する。
参考文献
- クリシュナン博士のウェビナーを見る: 電気生理学的研究による受信と伝達のメカニズム研究の促進
- ニューロサイエンス2016での研究要旨